高山病 避け方

高山病の避け方

富士登山における高山病の避け方について

高山病の避け方のひとつは、よく睡眠をとることです。バスツアーで行くなら、バスに揺られて富士山へ着くまでのあいだは寝てしまうというのも手かもしれません。

わたしの場合、結果的に天候に恵まれたものの、前日、前々日ともに夜半過ぎからゲリラ豪雨に遭っていたので、富士山は大丈夫なのか? と心配でなりませんでした。雨音で目が覚めたくらいですから、あまり十分な睡眠はとれていませんでした。

富士山は5合目で、標高2300メートルくらいに位置しています。
しばらく5合目で過ごして、身体を慣らしておきましょう。ストレッチ体操をして、足をひねらないようにするといいですね。

富士山5合目の標高

常識的な高山病の予防法は、

・ゆっくり深く息をする
・焦らない、落ち着いて登る
・食事を満腹食べた状態で登らない
・ゆっくり歩く
・登山時は休息を挟んで、空気の薄さに身体を慣らしていく

ということをしておくといいみたいです。

ツアーで参加すると、なかには山伏か修行僧のように、寡黙で静まり返った一団が誕生することがあるみたいですが、ストレスにしかなりませんから、楽しく登りましょう。

ただ、風景を楽しむのも日の出ているうちで、あくまで富士山から見る下界の風景です。雲の上の風景もいいかもしれません。が、富士山そのものは、とても楽しめません。登山道から眺めた富士山というのは、綺麗とは言いがたいです。厳しい自然が立ちはだかる……といったもので、歓声を上げることはありません。

まかり間違っても、絵はがきに掲載されているような富士山の姿は見れないので、期待している方は諦めてください。

富士山の風景

これは下山道から、山肌を見上げたところの写真です。落石注意ですね(そんな場所がありました)。登りはもっと岩場があります。こういう光景を見て、疲れが取れた! とはならないでしょう。

 

高山病の症状

高山病の症状としては、頭痛・眠気・気分が悪い・嘔吐などがあります。空気が薄くなり、血中酸素濃度が低下していることから、さまざまな症状が起こります。対処策は下山すること。とにかく、酸素の濃いほうへ向かうことです。

頭痛薬で症状を抑えるのは返ってよくありません。一時的に感覚を麻痺させているだけで、薬の効果が切れると高山病の症状が襲ってきます。そのため薬を飲んで小康状態を回復したら、動けるうちに下山しましょう。

登っていくのは、とても危険なのでやめてください。

耳抜きのできる方は、気圧の変化を感じ取ることで、空気の薄さをつかむことができるはずです。何やら耳奥に圧迫感があるなあと思ったら耳抜きすると同時に深呼吸するといいでしょう。

 

ツアーの参加が高山病を誘発する?

富士登山がはじめての方は、ツアーに参加することをすすめます。が、ツアーの参加で返って、高山病を誘発させる状況があるのではないか? と思ったことがあるので紹介します。

バスツアーでの登山となると、隊列を組んで登ることになります。初心者は先頭近く、熟練者は最後尾近くで喋りながら登ることになります。先頭と最後尾にはガイドがつきます。したがって、脱落者を放置して行ってしまうことはありません。

が、この隊列、8合目に着くころには、相当長くなっています。先頭が山小屋に到着した後、最後尾が到着するのに10分以上掛かることもザラになってきます。体力や技能の差から、前の方との距離が次第に開いていくからです。

明るいうちはまだマシです。ところが暗くなると、そもそも登山道が分からなくなることがあります。確かな足場も分からなくなり、距離が開いてくると、不安になり、焦ってしまいます。

登山道を外れると断崖で簡単に転落できるところなんて、たくさんあります。振り返れば、相当高いところまで登ったことが分かります。距離がありすぎて麓へは簡単に戻れません。ザックを背負っているので、眩暈を起こせば、簡単に仰け反って落ちてしまうでしょう。

8合目に差し掛かるころには、岩場が立ちはだかるので、登山用ストックが邪魔になることがあります。文字通り、手を使って登ることに。しかも、杭は打ち込んであるもののロープや鎖でつないでありません(これには非常に驚きました。ロープに等間隔に結び目があって、それをたどって登っていく……ようなのを考えていたので)。

山小屋を目前として、疲労のピークです。しかも、すでに日は落ち、ヘッドランプをつけている状態です。これで新月、そして雨が降っていたら……。

前の方との距離が離れていくと、相当な孤独感に苛まされます。動機も激しくなるでしょう。過呼吸になり、頭がふらつき、悪寒、息苦しさを感じるようになり、高山病へ……というわけです。

これはツアーに参加していることからくる焦燥感であり、圧迫感です。自由に休憩、進行を決められません。絶えず、遅れてはならないというプレッシャーがあります。それに、ツアーでは雨天決行となっている場合があります。

これ以上は無理、と感じたらリタイアすることを考えてください。また登りに来ればいいのですから。

 

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